コミュニケーションで買う最高体験を
2021年にオープンした、私がプロデュースに関わった時計店クロノセオリーは、おかげさまで2022年1月12日に大阪店をオープンするなど、腕時計愛好家の方々に好評を得ており、まさに腕時計愛好家冥利に尽きます。ぜひ今年は東西のクロノセオリーを時計愛好家の聖地にまで昇華させたいものです。
そもそも私がクロノセオリーをプロデュースしようと決めた理由は3つあります。
ひとつ目が、複数の独立系ブランドから、日本の某代理店が全く時計を売らないため助けてくれと2019年秋頃に相談されたからです。
ふたつ目は、私が何百本も腕時計を買ってきた上で、それに伴うストレスを全て払拭するような、買い手目線で満足できる時計店がなかったからです。
そしてみっつ目は、オフ会などで時計愛好家が集う溜まり場がなかったからです。
ようは、私が思う最高の腕時計愛好家体験を皆様と共有できる場を作りたかったのです。
私が思う最高の時計購入経験は、コミュニケーションそのものです。財力だけでは腕時計が買えなくなった今、それを上回って、人気の腕時計を手に入れるための最重要要素としてそのコミュニケーション能力が問われる時代になりました。
クロノセオリーは、そう言ったコミュニケーションを実際に行う場としては最高です。なぜならクルー全員が買い手目線だからです。それこそ取り扱っていないブランドの相談だってできるのですから。
さらに2022年は、私が2021年に散々言ってきたとおり、高級独立系ブランドと、カスタムロレックスの波が日本に到達します。
ほんの一握りの日本人愛好家は、かつて世界でもいち早くフィリップデュフォーに目をつけたように、昨年はローマンゴティエに真っ先に目をつけて、今年はもう世界的に簡単には買えないブランドになってしまいました。
そういったケースもあるのですが、日本人の「横を見て行動する」傾向から、ほとんどのトレンドは欧米から1−2年遅れてやってきます。
最初は周りを見て皆が欲しがっている時計が欲しくなりますが、結局それも遡れば、元は個性を差別化したい富裕層が買っていたもの。そこから裾野が広がって腕時計のトレンドは作られ、広がっていきます。
今年の波も同様で、周りを見渡せば誰でも持っているAudemars Piguet、Patek Philippe、Richard Mille、Rolexでは、一部の富裕層にとってはもう自分の個性を映し出す鏡としては使えなくなってきました。
それだけでななく、財力があろうともそれらブランドを購入するにあたって競争率が高すぎ、モノを買うだけなのに根回しする必要があるなど、あらゆる手を尽くさなければならなくなりました。
必然的に彼らの注目は、高級独立系ブランドへと移行したわけです。
そのトレンドは既に加熱し始めており、2021年だけで、Urwerk、Gronefeld、De Bethune、MB&F、FP Journe、Romain Guathierなど、買いづらくなったブランドが多数あります。
そんな独立系ブランドの腕時計が集まり、自分の個性を主張するアイテムとして見て、クルーとコミュニケーションをとって、そして欲しければ買う。そんな愛好家活動のための場所として、クロノセオリーを作りました。
2021年動向は読みどおり
今年はついにその独立系ブランドのトレンドが日本に到達します。
私は2021年からすでにそのトレンドを読んでいて、SNS投稿を振り返っていただければ、買いづらくなるブランドをほぼ100%全て言い当てていることがお分かりいただけます。
この独立ブランドのトレンド到来は、まさに「みんな持ってるのがみんな欲しい」から「みんな持ってるからみんな持ってないのが欲しい」への変遷です。
特に2021年終わりにかけて国際市場やオークションでプレ値傾向となってきたUrwerk、Czapek、MB&Fなどは、2022年はもう欲しくても買えない、すなわちどうにかしてでも手に入れたい腕時計ブランドとなるでしょう。
異例の販売数を記録したフォーメックス
昨年2021年に日本でも話題となったのがフォーメックス。私がそのフォーメックスに出会ったのは2020年でした。買った瞬間に、「これは日本でも受け入れられるぞ」と私の直感が言いました。
その後クロノセオリーを手掛けることが決まり、フォーメックスの社長に熱烈なラブレターを送りました。その甲斐あって国内では独占的に取り扱うことが決まったのです。
その結果、半年で販売本数100本を達成したのです。時計業界が本業でもない私は、同じ銀座の先輩としてアワーグラスの桃井社長に意見を乞いました。すると、とても素敵な言葉をいただきました。
「価格が3万円であろうが、3,000万円であろうが、腕時計1本を買っていただく労力は変わりません。ですからこの半年100本という数字は、無名ブランドの初上陸としては異例の記録で、誇るべき数字ですよ。」
私がプロデュースした日本限定のアースブルー色エッセンスなどは生産分が毎度ほぼ即完売し、買ってくださった方からの評判も、SNSをご覧いただければお分かりの通り上々と言えます。
そしてちょうど100本を達成した頃、フォーメックスの社長が私にとある秘密を暴露しました。
「お前、知ってるか?お前が作った複数ブランドのくろのぴーすエディション、あのケースや文字盤を作ってるのは、実は私の親族の会社なんだよ。」
フォーメックスの品質とコストパフォーマンスには、実質的な根拠があったのです。
ようするに、その関連会社はみなさんが知ってるような腕時計ブランドのケース、文字盤、ブレスなどを作っており、それらに関する多数の特許を保有しています。
彼らは一般的なメーカーよりもはるかに安価に部品を調達できるため、また、基本的に直販メーカーであるため、同価格帯のメーカーよりもはるかに高品質の腕時計を販売できるのです。
もし、彼らが一般的な価格で部品を調達していたら、その部品原価はモーリスラクロア・アイコンの2倍の金額がかかっているとのこと。その数字を直販ではない一般的な腕時計の末端販売価格に換算すれば、およそ75−100万円となります。
どうりでフォーメックスの満足感が高いわけです。
私の夢は腕時計愛好家の満足度を最大化することですから、このフォーメックスの日本発売はそのための大きなステップになったと実感しています。
そして2022年は、そのフォーメックスを含む独立系ブランド人気だけではなく、カスタムロレックス人気の波も日本に到達します。
私はこの数年DiW、AET REMOULD、Skeleton Conceptなどのカスタムロレックスを買っていますが、実はなんとそのうちのふたつ、DiWとSkeleton Conceptの国内取り扱いがクロノセオリーで始まることとなりました!
ますます2022年の腕時計ライフが楽しくなりますね!
一緒に楽しんで得しましょう
皆様にも、自分の個性を映し出す腕時計に出会って、そしてその魅力をフルに楽しみ、趣味生活をさらに豊かにしていただきたい。
そんな夢を叶えるべく、これからも私は皆様が「結果趣味人として得をする」先を指差して、共に歩んでいきたいと考えております。
そして、クロノセオリーを東西の腕時計聖地にすべく尽力して参ります。
そのクロノセオリーのミッションは、国内外価格差の最小化。2021年は、クロノセオリーも私個人も、そしてその関連する者全員も、その我々の努力が邪魔となる他の代理店N社の東西のふたりのK氏などから多大な嫌がらせを受けました。
そらそうですよね、既存の代理店は下手をすれば本国末端価格の1.6倍などの価格で売っていたんですから。
そんな状況の中、クロノセオリーと私は愛好家の皆様の協力を得て、「そんなところが卸す先の小売店からさえも買いたくない。」そんな声がSNS上で広まったおかげで、その悪質な嫌がらせも止み、クロノセオリー大阪のオープンにも漕ぎ着けることができました。応援してくださった腕時計愛好家の皆様、本当にありがとうございます。
しかし、止めたからといって嫌がらせは無かったことにはなりません。近く侮辱罪に刑事罰が適用されることですし、2022年は私のやり方で全力にて逆襲に動きましょう。ただ、大人のやり方で。
さて、何も私は、皆様にこれから流行る時計を買えなんて言っているわけではありません。後で欲しい時計がお金を持っていても買えなくなることをずっと先読みして欲しいものを買ってきているので、愛好家の皆様にかつて私が経験した苦しい思いをして欲しくない。それだけです。
私は欲しいものだけを買ってきて、結果今も一般的には入手が難しい時計もおかげさまで買うことができています。その私が言います。欲しい腕時計を買うのは常に今がベストです。
ということで、今年2022年も腕時計愛好家の一人として爆進して参りますので、東西のクロノセオリーともども何卒よろしくお願いいたします。